烏丸御池のタイポロジーハウス

京都における古民家の改修計画。

既存建物は占有通路を持つ、いわゆる旗竿敷地に対し旗竿部分にまで建て込まれていた薄暗い印象の建物であった。

設計に前もって調査していくと、建物のオリジナルから大幅に増築されていることが分かった。そこで計画としてはできるだけオリジナルの部分まで減築し、敷地奥と占有通路二つの庭を持った建物を構想した。

旗竿敷地ということで、この敷地は大通りからは奥まった場所にあたり、ちょうど敷地割の背割り部分に位置するため、都市の真ん中でありながら風が通る。そこに減築することで庭を生き返らせると不思議な開放性を持った快適な空間が生まれた。

おそらくオリジナルの建物もこうしたことを狙って建てられたのだろうと感じる。

また内部空間においても仕上げこそ劣化していたため、一度構造体のみのスケルトンにし、耐震性を担保するためにジャッキアップしての基礎構築などを施したものの階段位置、水回りなどの構成は大きく変更してはいない。

京都という町が生み出した形式(タイポロジー)を掘り起こし現代の工法で再構築したプロジェクトである。

建築家 北山恒氏との共同